サーバーとは?種類によるメリット・デメリットを分かりやすく解説

この記事では、各種サーバーのメリット・デメリットを初心者に分かりやすく解説します。サーバーは構築する場所や環境によって数種類に分けられ、管理者権限の有無、費用感、拡張性などが異なります。

企業の情報システム担当者様は、複数あるサーバーのメリット・デメリットを比較し、自社ビジネスにより適したサーバーを選びたいと考えることが多いのではないでしょうか。サーバーは構築する場所や環境によっていくつかの種類に分けられ、管理者権限(root権限)の有無、費用感、カスタマイズ性、拡張性などが異なります。
この記事では、各種サーバーのメリット・デメリットを初心者に分かりやすく解説します。

サーバーごとのメリットを見るポイント

サーバーは種類によってメリットが異なるため、コスト感・セキュリティの強度・運用方法の違いなどを考慮した選び方が大事です。

  • コスト感は適切か
  • 情報のセキュリティは十分か
  • 操作や運用を簡単にできるか
  • 設定の自由度や機能は十分か

上記のポイントにおける重要な要素を、さらに詳しく解説していきます。

サーバーとは

サーバーとは、インターネットを通してデータや情報などを提供する企業側のコンピューターのことです。主にファイルの共有・保存などに使用する保管場所や情報処理、コンテンツ提供などを行います。 Webページの閲覧・メール送受信・オンラインショッピング・ゲーム・SNSなど、多岐にわたるサービスにサーバーが用いられています。

ファイルサーバーとは

企業の業務に必要なファイルを共有する際、ファイルサーバーが用いられることが多いです。ファイルサーバーの特徴や、よく比較されるNASとの違いを解説します。

ファイルサーバーの特徴

ファイルサーバーとは、その名の通りファイルの保存・共有を目的としたサーバーのことです。クラウド型とオンプレミス型があり、前者であれば社外からアクセスできるため、リモートワークに活用できます。 ファイルサーバーを利用するには、ソフトウェアのインストールと設定が必要になります。保存したファイルはバックアップを取ることができ、スペックの拡張・カスタマイズにも対応可能です。

NASとの違い

NAS(Network Attached Storage)とは、ネットワークに接続できるHDDのことです。 本体と複数の端末を接続してファイルを共有することができ、機器を購入・設置するだけでファイルサーバーとして機能します。 クイックスタートしやすく、コスト面もファイルサーバーより優れているのがメリットです。 ただし、拡張性が低く、複数のユーザーでの共同編集には対応できません。

ファイルサーバーのメリット・デメリット

ここからは、ファイルサーバーを企業で活用するメリット・デメリットを詳しく解説します。

メリット

ファイルサーバーには、必要な容量に応じて柔軟に対応しやすいなど、様々なメリットがあります。

  • ストレージ容量を柔軟的に拡張できる
  • ファイルの受け渡しが簡単
  • 情報の安全性に優れている

組織内でのファイル共有がスムーズになることで、社員のストレスが軽減されます。 また、高度なセキュリティによって、第三者の不正利用や情報漏えいのリスクを抑えることが可能です。

デメリット

ファイルサーバーを導入する際には、デメリットも十分に理解しておきましょう。

  • 導入コスト・ランニングコストがかかる
  • 導入時の設定に手間がかかる
  • サーバーの破損でデータを消失する可能性がある

これらのデメリットは、ビジネス規模が大きいほど感じやすくなります。将来的に必要な予算やリソースを考えた上で、導入の計画を立てましょう。

環境によって異なるサーバーの種類

サーバーの種類は、共用か専用か、物理的か仮想的かで、以下の5種類に分けられる。 Webサイトの規模や用途に応じて、適切なサーバーを選ぶ必要があります。

サーバーの種類 概要
専用サーバー サーバー1台に対し、1ユーザーが占有して使用するサーバーのこと。
共用サーバー サーバー1台に対し、複数のユーザーで共有するサーバーのこと。
VPS(仮想専用サーバー) 物理的な1台のサーバー上に構築された仮想サーバーのこと。
クラウドサーバー VPSと同様に仮想サーバー上に置かれたサーバーのこと。

専用サーバーのメリット・デメリット

専用サーバーは、利用者側にroot権限のある専用サーバーと、サーバー会社側にroot権限のあるマネージドサーバーに分けられます。専用サーバーを企業で利用するメリット・デメリットについて、詳しく解説します。

メリット

専用サーバーの大きなメリットは、他のユーザーの影響を受けずにサーバーを快適に利用できることです。他にも、以下のような様々なメリットがあります。

  • サーバーを自由に運用・管理できる(root権限あり)
  • サーバーの運用・管理をサーバー会社に任せられる(マネージドサーバー)
  • 必要なアプリケーションをユーザーの意思でインストールできる
  • マルチアカウント機能(担当サイトごと、ユーザーごとの権限設定)を利用できる
  • 転送量無制限のため、大規模なWebサイトも快適に稼動できる

root権限が利用者側にある専用サーバーは、運用・管理における自由度が高く、自社ビジネスの規模に合わせた最適な環境を整えることができます。 マネージドサーバーの場合、運用・管理における業務をアウトソースできるため、リソースが足りなくとも安定的な稼働が実現します。

デメリット

専用サーバーを企業で利用する際、以下のようなデメリットが生じることを想定しておきましょう。

  • レンタルサーバーに比べて費用が大きくなる可能性がある
  • サーバー運用・管理を自社で行う必要がある(root権限あり)
  • サーバーに関する専門知識が必要(root権限あり)

root権限ありの専用サーバーは、専門知識を有するリソースの確保が必要不可欠です。 ただし、root権限をサーバー会社に預け、プロが運用・管理を代行してくれる「マネージド専用サーバー(マネージドプラン)」ならリソース不足の心配もいりません。

共用サーバーのメリット・デメリット

共用サーバーを企業で利用するメリット・デメリットについて、詳しく解説します。

メリット

共用サーバーの大きなメリットは、専用サーバーと比べて安価で導入できることです。他にも、以下のような様々なメリットがあります。

  • 初期費用とランニングコストを抑えられる
  • サーバーに関する専門知識なしでも運用できる
  • 申込からサービス利用までの期間が短い

コストパフォーマンスに優れている共用サーバーは、個人ブログや小規模なWebサイトに適しています。クイックスタートをしやすい側面もあり、スムーズな導入が実現します。

デメリット

共用サーバーは、マンションのように他ユーザーと1台のサーバーを共有する特性上、いくつかのデメリットが生じます。

  • 管理権限(root権限)がサーバー会社側にあるため自由度が低い
  • 利用可能なソフトウェア・アプリケーションが限定される
  • 同サーバーにある他サイトの影響で負荷がかかる

ユーザー側で設置したいシステムに合わせてカスタマイズできないため、規模が大きく複雑なWebサイトには適していません。また、他ユーザーの利用状況によって負荷がかかることも想定しておかなければなりません。

VPSサーバーのメリット・デメリット

VPSを企業で利用するメリット・デメリットについて、詳しく解説します。

メリット

VPSの大きなメリットは、割り当てられた仮想サーバー上で自由にカスタマイズができることです。他にも、以下のような様々なメリットがあります。

  • 好みのOS・アプリケーションをインストールできる
  • 他のユーザーからの影響を受けにくい
  • 専用サーバーよりも低コストで導入できる

カスタマイズ性とコストパフォーマンスに優れたVPSは、多岐にわたる機能を搭載したECサイトなどに適しています。また、専用サーバーと比較して初期費用が安い側面もあります。

デメリット

専用サーバーと同様に、ユーザー側でサーバーの構築・運用をするため、共通するデメリットがいくつかあります。

  • サーバー運用・管理を自社で行う必要がある
  • サーバーに関する専門知識が必要
  • サーバーの拡張性に欠ける

サーバーのスペックごとに複数のプランが用意されていますが、専用サーバーのように性能自体を変えることはできません。また、サーバーを拡張したい場合には、上位プランへの乗り換えを検討する必要があります。

クラウドサーバーのメリット・デメリット

クラウドサーバーを企業で利用するメリット・デメリットについて、詳しく解説します。

メリット

クラウドサーバーを利用する大きなメリットは、状況に応じてサーバーのスペックを拡張・縮小できることです。他にも、以下のような様々なメリットがあります。

  • CPU・メモリ・ストレージを柔軟に変更できる
  • 初期費用が比較的安い
  • ハードウェアの管理・保守が不要

万が一アクセス数が急増しても、クラウドサーバーなら一時的にサーバーのスペックを上げて負荷を抑えることが可能です。 そのため、膨大なアクセス数が想定されるキャンペーンサイトや、期間限定のセールを実施するような大型ECサイトなどに適しています。

デメリット

初期費用が安いクラウドサーバーでも、導入後のランニングコストが比較的高いなどのデメリットが生じます。

  • 従量制でランニングコストが高額になりがち
  • 他のサーバーの影響で一時的にパフォーマンスが低下する可能性あり
  • セキュリティ対策を徹底する必要あり

クラウドサーバーの特性上、他サーバーの状況次第で本来のパフォーマンスが出せない場合があります。 また、外部にデータを預けるため、セキュリティ強度を高める必要があります。通信データの暗号化やデータの保管場所の明確化などを行って対策しましょう。

まとめ

この記事では、サーバーに関する以下の内容について解説しました。

  • ファイルサーバーとNASの違い
  • 環境によって異なるサーバーの種類
  • 各種サーバーのメリット・デメリット

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