専用サーバーと共用サーバーの違いは?メリット・デメリットや費用目安を徹底解説

レンタルサーバーは大きく分けると「専用サーバー」と「共用サーバー」の2種類です。今回はそれぞれの「価格」や「運用の安定性」などの違いやメリット、向いている企業やサイト規模などについて解説しています。

オンプレミスによって物理的なサーバーやネットワークを構築し、保守や管理、運用を自社で実施する企業は年々減ってきています。またサーバーをレンタルすることで、運用コストや管理の手間の削減を図る企業も増える傾向です。レンタルサーバーは主に専用サーバーと共用サーバーに分けられますが、これらのサービスにはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、専用サーバーと共用サーバーの違いや、メリットやデメリットについて詳しく解説します。

専用サーバーと共用サーバーの違い

専用サーバーと共用サーバーでは、運用コストやカスタマイズ性において違いがあります。
ここでは以下のような相違点について、詳しく解説していきます。

  • 導入・運用費用
  • 利用開始までにかかる時間
  • カスタマイズ性
  • 運用の安定性
  • 使える機能

導入・運用費用

導入・運用費用では、専用サーバーの方が必要なコストが高く、共用サーバーの方が低い傾向にあります。共用サーバーの相場は、初期費用が0円~数千円で、月額費用が数百円~数千円です。一方、専用サーバーは、初期費用が数万円~数十万円で、月額費用は数万円以上が相場となっています。
専用サーバーは、ひとつのユーザーが専用的に使用でき、高スペックなサーバーが用意されていることが多いため、共用サーバーよりもコストが高くなることが特徴です。

利用開始までにかかる時間

利用開始までにかかる時間は、専用サーバーの期間が長く、共用サーバーは短いという違いがあります。
共用サーバーは、申込みから早くて1~2時間で使用できるようになります。最初は無料で開始できるサービスが多く、支払いが発生する前にテスト運用を開始できるため、早期に使用可能です。
一方で専用サーバーは、サービス提供会社によって行うサーバーの設置や構築などを行うため、ユーザーが申込みをしてからサーバーを使用できるまでには時間がかかります。サービス提供会社における動作確認期間の目安として、申込みから1~30日の猶予を案内しているサービスもあります。専用サーバーを導入する際は、スケジュールに余裕を持って申し込みましょう。

カスタマイズ性

カスタマイズ性に関しては、専用サーバーは自由度が高く、共用サーバーの方が低い仕様のものが多いです。カスタマイズ性とは、自社の提供するサービスの構築に合わせて、OS やミドルウェアなどを自由に選択できたり、メモリや容量を途中で変更できたりと、サーバーの構成やリソースを自由に変更できることです。
例えば、アクセス数が急に増加した際にリソースを拡張しようとしても、共用サーバーは途中でスペックを変更できません。変更するためには、新たに契約をする必要があり、IPアドレスなども新規で取得する手間がかかってしまいます。対して専用サーバーは、契約の途中でもスペック変更ができるため、自社の構築したサービスの状況によって自由にカスタマイズが可能です。

運用の安定性

運用の安定性は、専用サーバーの方が高く、共用サーバーの方が低い傾向にあります。
専用サーバーは、容量のディスクスペースや、ネット回線を独占して使用できるため、他者の影響を受けずに安定性を確保した運用が可能です。対して共用サーバーは、サーバーを共有している他のWebサイトやシステムによる影響を受けてしまう恐れがあるため、必ずしも安定した環境で利用できるとは言えません。

使える機能面

機能面では専用サーバーの方が優れており、共用サーバーの方が有用性の低い傾向にあります。
例えば、以下のような機能について差が生じてきます。

  • 自動バックアップ
  • 転送量無制限
  • マルチアカウント機能

共用サーバーでは、一般的にこれらの機能が付与されていないケースが多くあります。アクセス数の急激な増加が見込まれるような大規模なECサイトを運営している場合、転送量の上限を設定されていては安定したサービスの運用ができません。転送量が上限を超えてしまった際に、ユーザーがWebサービスへアクセスできなくなってしまうからです。
また、共用サーバーでは基本的に管理者権限が付与されませんが、専用サーバーではマルチアカウント機能を活用できるサービスもあります。マルチアカウント機能とは、Webサイトごと・管理ユーザーごとに権限設定が可能な機能です。
これまで、契約者のアカウントのみに管理者権限が与えられるサービスが多くありました。その場合、複数のサービスを1人で管理するため、ミスやトラブルを引き起こす危険性があったのです。しかしマルチアカウント機能を活用すれば、1つのサーバー上で運営している複数サービスについて、それぞれの担当者ごとに権限を設定できます。管理の負荷を複数人へ分散することで、安定したサービスの管理・運用ができるでしょう。

専用サーバーとは

そもそも専用サーバーとは、1台のサーバーを1ユーザーが独占的に使用できるサービスです。ひとつの企業が、専用的にサーバーを使用できるため、利用できるメモリやストレージの容量も大きく、カスタマイズ性が高いことが特徴です。専有してサーバーを独占できるため、月々のランニングコストは他のサービスと比べて割高となっています。

専用サーバーを一戸建ての住居に見立てた図。費用面、アクセス状況等の柔軟性があり、必要な機能のみ選べる。ペースから作り込めるため、高度な専門知識が必要。

例えるならば、占有の敷地に建つ一軒家を借りるようなイメージです。家の中にキッチンやトイレなど必要な設備や、リビングに寝室といった複数の部屋が備わっています。専用サーバーも同様に、空間にあるものすべてを丸ごと独占できるため、周囲に影響されることなく、安定した通信を確保しやすいことが特徴です。

メリット デメリット
  • カスタマイズ性や自由度が高い
  • 他のWebサイトやシステムの影響を受けない
  • 負荷の高いサービスでも安定した運用ができる
  • 他のサービスに比べランニングコストが高額
  • 管理や設定を行う専門知識を必要とする
  • 申し込みから導入までの時間がかかる

共用サーバーとは

また共用サーバーとは、 1台のサーバーを複数のユーザーで共有する形のサーバーです。一般的にレンタルサーバーと言う場合、共用サーバーのことを指して使用されることが多いです。

共用サーバーをアパートに見立てた図。コスト低めで運用可能。専門知識を必要としない。申し込みから利用開始までが短い。他の影響を受ける(負荷)。設定や利用可能ソフトに制限がある。

専用サーバーが一戸建てに例えられるのに対して、共用サーバーは共同アパートのようなイメージになります。キッチンやお風呂は他の住人と共有して使用するように、共用サーバーもメモリやCPUを複数のユーザーで共有します。利用したい時間が他の人と重なると待たなければいけないように、共用サーバーもアクセスが集中するときは回線が遅くなることがデメリットです。

メリット デメリット
  • 低コストで管理・運用ができる
  • 専門的な知識が自社に無くても利用可能
  • 申込みから導入までがスピーディ
  • 自由度が低くカスタマイズ性に欠ける
  • 他のWebサイトより影響を受けやすい
  • 共有する悪質ユーザーの影響を受けるリスクがある

専用サーバーがおすすめの人・企業

以下のようなニーズを持つ人・企業は、専用サーバーを活用することがおすすめです。

  • 専用のメールサーバー、ファイルサーバーとして活用したい
  • 自社のWebサイトを構築したい
  • ソフトウェア開発の環境として活用したい
  • 大規模なECサイトを運営したい
  • 他のユーザーの影響を受けたくない
  • セキュリティ対策を万全にしたい

専用サーバーは、一般的に個人よりも企業が活用することに向いています。なぜなら、大規模なWebサービスの運用など高スペックな性能が求められるケースにも対応可能だからです。また運用にかかるコストも大きいため、個人よりも企業として導入するのがよいでしょう。
管理や運用を自社で行うにあたり専門的な知識が必要となりますが、マネージドプランを選択すれば、管理や運用、セキュリティ対策までサービス提供会社が代行してくれます。その分コストは高くなりますが、マネージドプランを活用するか、専門的な知識を有するエンジニアを採用するか、最適な方法を選びましょう。

共用サーバーがおすすめの人・企業

共用サーバーは、申込み後すぐに活用でき、価格をおさえたサーバー運用できるメリットがあります。したがって、以下にあげるような状況やニーズを持った人や企業におすすめのサービスです。

  • ランニングコストをおさえたい
  • ブログや一般的なサイト運営を始めたい
  • 構築、管理できる専門知識がない
  • 途中でスペックを変更する予定がない
  • 早くサイトを開設したい

サーバーの構築や運用は、サービスを提供する会社が行います。そのため、サーバー運用の専門的な知識を必要としません。サーバーの運用担当が在籍していない方や企業には、最適なサービスとなります。
また、カスタマイズが自由にできないため、途中でスペック変更を予定していない企業にマッチしています。自由度は低くなりますが、その分コストを抑えられるため、ブログの開設や一般的なホームページを運用したい小規模なニーズにマッチしたサービスとなります。

サーバーを選ぶ際の注意点

これまで、専用サーバーと共用サーバーのメリットやデメリットの違いについて解説してきました。どちらのサービスを選定するかは、自社のニーズや用途にあったサービスを選ぶべきでしょう。
ここでは、サーバーを選ぶ際のポイントを解説します。主に以下の項目に着目してみましょう。

  • 運用コストは予算にマッチしているか
  • 提供するサービスの構築が可能なスペックか
  • 提供会社のサポート体制は万全か

サービスの契約期間や契約するサーバーのリソース、機能やスペックによって、運用全体のコストが大きく変わってきます。サービスによっては無料のお試し期間が設けられているものもあるため、テスト的に運用を始めるのもひとつの手です。
申込みをしてからスペック変更の必要が発生した場合は、専用サーバーの導入を検討してみてもよいでしょう。自社が構築するサービスに相応したスペックを提供できるか、契約の際は十分な検討が必要です。一方、一般的なホームページの作成やブログの開設など、サーバーの大規模なスペック変更が必要となる予定がない場合は、共用サーバーを選択する方が適切でしょう。
また、サービス提供会社のサポート体制についても、サーバー選定における重要なポイントです。24時間365日いつでも質問や相談ができるチャットボットのようなサポート体制は整っているのか、また専門のスタッフに話を聞きながら作業ができるような電話サポートに対応しているのか、などを事前に確認しておきましょう。

まとめ

専用サーバーと共用サーバーには、ランニングコストやカスタマイズ性、導入までの所要時間などの違いがあります。ブログや一般的なホームページの開設であれば、運用コストの比較的かからない共用サーバーを利用するのがおすすめです。一方で大規模なECサイトの運営といった高スペックな動作が求められる場合は、専用サーバーを選定するとよいでしょう。
自社の用途にあったサービスを理解したうえで、適切なサービスを選んでください。専門的な知識やスキルはないものの、専用サーバーを利用したいと考えているのであれば、マネージドサーバーがおすすめです。

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